Studio vetix

第六回「みんな、話し合ってるかな!?」

皆さん、こんにちは!
名古屋の音楽リハーサルスタジオ「Studio VETIX」の河本です。
今回は以前お話した部分でミーティングって・・・
何を話し合ったらいいか」というご意見を頂きましたのでそちらに関して少し、掘り下げてみようと思います。

というわけで、今回のお題は、
第6回「みんな、話し合ってるかな!?」です

バンド活動をしていて「ライブ&スタジオ練習」は、普通に行うものですよね!
しかし・・・それだけが「バンド活動」ではないことも、バンドを組んで実感していると思います。
自宅での楽曲制作、練習前後の雑談、成長計画を練ること、物販をつくること、事務作業、チケット売り上げの管理、ライブハウスとの出演交渉、はてまた打ち上げに参加して馬鹿騒ぎすることも大事な「バンド活動」ですよね^^

当コラムの第二回で触れた「3時間で効率よく練習するペース配分」でも、

とくに、スタジオに入る前の「ミーティング」と、スタジオ終了後の「復習の共有」
これはとりわけ重要で、「だらだら4~5時間音を出しっぱなしにする」よりも
しっかりミーティングをして、3時間だけスタジオに入る」つもりで練習するほうが効果的なのです。

などと、「バンド内でしっかり話し合うことの大切さ」に触れたのですが
「雑談で終わってしまう」なんて声をいただいておりました。
確かに、話す内容はケースバイケースなので「毎回コレを話しておけばバッチリ!」なんてアドバイスはできませんが・・・
手始めにこの2点をミーティングで話し合ってみては?!!
・「楽曲イメージの共有」
・「大きな目標から計画の設定・共有」
です!!

なぜ、この2点なのか?というと、
僕がレコーディングなどでバンドさんと関わっていくなかで
感じることが多かった2点です。

1つ目【楽曲イメージの共有】
楽曲を作るときに、皆さんは「イメージの共有」をしっかり伝えていますか?
「Aメロは少し雨が降ってて、サビから晴れる感じの音で!」なんてことを言葉で伝えていますか?
自分の考える世界観を、なんだか抽象的な表現でいうなんて恥ずかしい・・・照れくさいなんからと思っていませんか?
実は、ミックスダウンの際に、メンバー同士で「イメージやシーン」が統一出来ていないことがよくあります。

そもそも音楽というのは「言葉で表現できない」
言葉で伝えるなんて・・・ナンセンスに思われるかもしれませんが、、、
実際はその逆で
「言葉で表現できない」からこそ、そのイメージやシーンを言葉を使って
自分の持つ世界観をしっかりと細かく伝え、メンバーで理解し合う事が大切だと思っています。

例えば・・・
「Aメロは少し雨が降っていて」と言っても
「どんよりとした曇り空からポロポロとこぼれ落ちるように降る小雨」なのか
「白い雲なので空は明るいけれども霧のようにふる小雨」なのか
「狐の嫁入りみたいに、晴れているのになんだか雨、程度の小雨」なのか
では、受ける印象が随分違います。
「サビから晴れる!」もそうです
「モーセの十戒のように雲がパカンと割れて晴れる」のか
「薄い雲の切れ間から、やがて光が差し込む」程度なのか
「そもそもシーンが代わって『晴れてる場所のお話』になる」のか・・・
こんな感じで細かいニュアンスを伝えるには、やはり言葉しか伝えられない。
実際に各パートを完璧に弾けて叩けて伝えられるならソレでいいのですが、、、なかなかそんな人は少ないですよね(笑)
このように細かく具体的に伝えることによって
クリックに対して前ノリなのか後ノリなのか・・・のイメージがメンバーで意識しやすくなったり
DrのショットやGt/Baのピッキング、Voの発声の仕方や雰囲気がひとつになった1曲になりGroup感が出ると思います。

既にライブでやっている曲でも(はてまたCDとして出している曲も)実際にお互いのイメージを話しあってみるとよりシックリすることも多々有ります。

「話し合う」といってもいつも雑談で終わってしまうなーなんて場合は、一度「楽曲のイメージを共有する」話し合ってみてはいかがでしょうか!!
自分の中で「イメージ」をしっかり持つことにも繋がりますし・・・おすすめですよ^^

2つ目【大きな目標から計画の設定・共有】
個人、個人でいつか「あのフェスの舞台に立ちたい」などの目標や夢があると思いますがメンバー同士で伝え合っていないなーってことも多く感じます。

例えば2年後には「〇〇ホールで演っているバンドになりたい!」といった目標や夢をメンバーと共有してその目標にどのように向かっていくか・・・という「話し合い」をすることも大切だと思います。

そこから逆算して今から出来ることを一つ一つ「話し合って」決定して行動する。

では、『逆算的』とは一体どういうことなのか簡単に説明しましょう。
「2年後に〇〇ホールに出たい」のであれば、
「1年後には△△LIVEハウスでそれなりの動員のライブをする」
その為に、、、
どんなイベントに出ようか・・・企画をしようか・・・
自分達の伝えたい音楽はなんなのか・・・
どんなリスナーに聴いてもらってどうなってもらいたいのか・・・
のように、ゴールに向かって行くための経過点をゴール側から辿って設定する。
こうすることで、目指すところに着地するための細かい目標設定が組み立てられるようになると思います。

さて、、、この「目標設定の話し合い」で大切なのはここから・・・
「いくら2年後の〇〇を目指すからといって、1年後に△△は厳しいんじゃない?」なんて、もめることも有るかもしれませんがそういった場合、現状を直視したうえで「大きな目標」を設定し直すのもいいと思います。

しかし、この場合「限られた時間の中で1年後に△△に出演するには、どこでどんな活動をするのがいいのか?」
と目標に忠実に計画を設定していくことが「逆算」の本来持つ上手い使い方ですね。。。
メンバーで話し合いながら「だったらこの時期には音源出したほうが良くないかな?」であったり出来上がった音源をどの様に一般の方に伝えることが出来るか・・・
(最近はネットがあって様々なプロモートが出来て羨ましい^^)
現状から計画を立てるとどうしても無理せず甘えてダレてしまう部分も、シビアに計画することが出来ると思います。

流れに乗って、少し動員が集まったものの、そこで停滞してしまった・・・バンドには意外とこの「大きな目標を話し合う」という観点が足りていないことが多い様に感じています。

いかがでしたでしょうか。
今回は少し趣向を変えて以前のお話に対して頂いた疑問にお答えいたしました。

本コラムを読んで、「バンド内で話し合う」ことに対して抱いていた抵抗が少しでも減って、「今度話し合ってみよう!」なんて思っていただければ嬉しいです!

今回触れた2つの具体的なテーマ以外にも、しっかりと「同じイメージを共有するために」話をすれば、バンド活動がもっと楽しくスムーズになると思います。

ちなみにベティックスでは、鶴舞店を作る際に「ミーティングがしやすいように」とロビーを広くとったり、無料のウォーターサーバーを配備してあります。よろしければミーティングついでにスタジオもご利用下さいね!…あれ、逆ですね(笑)

次回は、今回触れた「逆算で目標を立てる」部分に関して、具体例も踏まえつつ掘り下げ、マーケティングのお話などもしてみようと思います。
お楽しみに!最後まで読んでいただいてありがとうございました。それでは、また来月お会いしましょう!