Studio vetix

第三回「レコーディングしてるかな?」

名古屋の音楽リハーサルスタジオ「Studio VETIX」の河本です。
最近、レコーディングの現場やスタジオ店頭にて、読者の方から声をかけられることが増えてきました。「実際にバンドの練習に役だっています!」などと、なかなか好評を頂きまして、とても嬉しく思っています。いつもコラムを読んでくださって、ありがとうございます。もっともっと皆さんにお役に立つな情報をお届けできるよう、頑張っていきます^^

さて。
長年のリハーサルスタジオ運営/レコーデング運営/レーベル・プロダクション運営/アーティスト育成の経歴から得た知識や経験を基に、「効果的な練習方法」や、「スタジオの上手な使い方」から、「バンド運営上の疑問」まで、役立つ情報をたくさんお伝えしていくこのコラム!『VETIX河本のこんな練習してないかな!?』ですが、

第3回目のテーマは、【レコーディングしてるかな?】です。

初回、第二回と、「練習のコツ」について、触れさせていただいたこのコラム。
第三回となります今回は、「レコーディングも練習の1つである!」という考え方をご紹介します。

「今回はどんな練習のコツを紹介してもらえるの?」と、期待していた人は「なんだ。」なんて思っちゃいましたか?(^_^;)
ですが、本稿は、そんなあなたにこそ読んでもらいたい内容なんです…!

みなさんは、「レコーディングとか、もっと上手くなってからだし…」「レコーディングと練習は別物でしょ?」なんて思ってませんか?

・・・実はその考え方は、大きな間違いで、「うまいからレコーディングをする」のではなく、「うまくなりたいからレコーディングをする」というのが正解なのです!

今回は、その理由をご紹介したいとおもいます。^^

みなさんは、レコーディングをしたことがありますか?
スマホや簡易録音システムでスタジオでの演奏を録音する・・・のではなくて、
レコーディングスタジオを使って音を録り、ミックスやマスタリングをエンジニアさんに行ってもらうアレ、です。
いまからご紹介するのはレコーディングがもたらすバンドへの効果について。
レコーディング経験者ならどれも頷いてもらえるのではないでしょうか?
レコーディングをすると、こんな効果があるんです…。

①【テクニックが、上手くなる!】
これは簡単なこと。
「レコーディングをする」となるとみんな、必死に練習をしますよね?(笑)
普段から真面目にできればいいんですが、なかなかそうは行かないもの。
「〇〇にレコーディングする!」という目標・期限が決まっていれば、そこに向けて逆算的に練習をしていくので、必然的に通常時よりも練習量が増えて技術も上達します。

これは、初めてのレコーディングをするバンドからバリバリ活動しているバンドまで、まんべんなく見られる傾向なんです。
逆に言えば、レコーディング決まっているのにちゃんとできなきゃ、いろいろ考えなおしたほうがいいかも!?

②【ライブが上手くなる!】
「レコーディング」なのに、「ライブが上手くなる」とはこれいかに?
・・・そのカラクリは、「曲の完成度」が上がることにあります。
「良いアレンジをつける」とか、そういった表面的な部分ではなく、曲自体の「完成度」のことです。

レコーディングをするためには、その楽曲のBPMや曲構成、キメ位置、PANニングなどお互いの楽器の絡み方、音作りなど、順番に細部まで話し合って決めていくことになります。
そのなかでお互いになあなあにしていた部分であったり、思い込み・すれ違っていた部分が多く見つかってくると思います。見つからないバンドはないくらいです。

こうして、レコーディングの準備をすることでその曲に対してのバンドメンバーの理解が深まる結果、曲自体の完成度が上がり、ライブでの演奏クオリティも上昇するというわけですね。

実際、レコーディングをした曲と、していない曲では、ライブで演奏する際にもクオリティや、まとまり方、グルーヴ感が明らかに違って聞こえるほどです。
また、自分たちの「推し曲はこれだ!」など、楽曲の立ち位置も明確になるため、ステージ構成にもメリハリがでてきたりします。
みなさんも、知人のライブなどを見る際、ぜひ意識して聴いてみてください。
「レコーディング」をすると、本当に「ライブが上手くなる」のです!

【③練習方法が上手くなる!】
レコーディングするにあたって、普段やっている練習に加え「レコーディング向けの」練習をすることで、普段とは別角度からバンドの強化ができ、普段の練習も効率的に行えるようになります。

実は、VETIXでレコーディングをするバンドさんにはレコーディングの数日前に、かならず事前ミーティングをさせていただくのですが、その際にこの「レコーディング向けの練習方法」をアドバイスさせて頂いたりしています。
そして、これらの練習を実践してきたバンドさんはレコーディング本番時に驚くほど上達して、録音もスムーズに行えますし、なにより録り音が明らかに良くなっているのです!これは、VETIXにてレコーディングを担当させていただいた、何組ものバンドさんにて実証済みです(自慢です。笑)

これら「レコーディング前にやるべき練習方法」については、次回触りだけでも書こうと考えています。
普段の練習にも取り入れられますし、次回のコラムをお楽しみにしてくださいね^^

【④目標ができて上手くなる!】
レコーディング前だけでなく、完成したあともその「音源」を目標として頑張れるからうまくなる!んです。

レコーディングも、ライブも、基本的には自分たちのありのままの「魅力」を表現するためのものですよね。
ただし!
ライブと違い、レコーディングでは何回か録り直すことができます。
普段はスラスラできないフレーズも、納得の行くテイクが出るまで落ち着いて演奏できます。
そして、それらをうまく抜粋して、その時点で出せる「最高のテイクたち」を集め、閉じ込めたものが音源として完成するわけです。

それは確かに、普段の実力以上のものかもしれません。
しかし、言い換えれば、眠っている自分の一番いい部分を集めて出しきった…すなわち「真の実力」なんです!
「真の実力」サウンドを音源化し、それを今後「お手本」とすることで、「音源」を目標に追いつき追い越していけるように頑張っていけるように練習をする。
弱点を見つけたり修正したりしていく、明確な目標ができるようになり、上達への近道となっていきます。

【⑤バンド活動も上手くなる!】
ちゃんとしたレコーディング音源があればバンド活動も上手くなる!
バンド活動をする上で当たり前に必要になってくるもの。それは「音源」。
CDという形にするにしても、音源配信するにしても、Youtubeにアップするにしても、音源がないことには始まりません。「音源」は自分たちに代わって電波に乗り自分たちのことを広めてくれたり、誰かの耳元で曲を奏でたりしてくれる「分身」です。音楽をやる以上、様々なシーンで、名刺代わりに提示する大切なものなのです。
ライブハウスで簡易ライン録音してもらった「ライブ音源」や、「スマホで撮ったLIVE動画」「自分たちでスタジオ録ったやつ」を名刺代わりにするのもいいでしょう。
しかし、せっかくならやはり、「真の実力」の自分たちを用いて広報活動をしたほうがいいに決まっていますよね。

レコーディングをすることで、バンド活動をする上で大切な「告知」や「宣伝」に使っても効果的で魅力的な素材が手に入るわけです。

たとえ話ですが。
ある日、有名なプロデューサーが偶然あなたのLIVEを見て、可能性を感じた場合、まずこう言われるでしょう。
「君たち音源無いの?」
せっかく訪れた大チャンス!しかし、聞いてもらっても恥ずかしくない音源がなければ、せっかくのチャンスも台無しです。
「音源」は、音楽をやる以上必ず必要なものです。

極端で大げさな例かもしれませんね(笑)
でも、本当にどこにチャンスが転がっているかわからない世界。
YouTubeなどにアップされたレコーディング音源を聴いて、大手レコード会社から話がくるといったパターンも実感として「当たり前」になってきていると感じます。
ちゃんとしたレコーディング音源があればバンド活動も上手くできる!のです。

…いかがでしょうか?
「上手いからレコーディングをする」のではなく、「上手くなりたいからレコーディングをする」とはこういうことなのです。
レコーディングを考えているけど、バンドメンバーが乗り気じゃない…なんてお悩みの方は、ぜひとも説得に使ってみてください(笑)

それでもメンバーがレコーディングに乗り気じゃない!なんてメンバーをお抱えの方は、一度VETIXに遊びに来て下さい!
文中にも在りましたが、VETIXでは、しっかりとした事前ミーティング完備なので、希望するイメージに近づけるための相談や、レコーディングに向けた練習方法のサポートなど、様々な面で協力させてもらえると思います^^
初めてでも不安なくできる、安心お得なレコーディングパックもご用意していますので、
「レコーディング、してみようかな…」なんて少しでも思ったら、お気軽にご連絡下さい!

最後にちょっと宣伝っぽくなっちゃいましたが(笑)
これでみんなレコーディングをする気になってくれたと思うので、次回は、「レコーディングに向けた練習してるかな?」で行こうと思います!

また次回お会いしましょう!^^